「おもちゃ」その①
- hitoshi101306
- 2025年5月7日
- 読了時間: 3分
第1回目のテーマは「おもちゃ」。勿論「子供のおもちゃ」の事である。(笑)
私が子供の頃の昭和40年代の人気のおもちゃと言えば、女の子は「リカちゃん人形」
男の子は「野球盤」が定番ではなかったろうか。
あれは小学校3・4年生の頃だったと思う。放課後クラスメートのK君から「野球盤買ったから遊びに来いよ」と誘われ遊びに行くと見せてもらった野球盤のあまりの豪華さに目を見張った。
(す、すごい・・・) まず盤の外周に階段状のプラスチックの観客スタンドが張り巡らされ
ている。得点表示板もしっかりしたものだし、勿論消える魔球装置も付いている。そして何よりもフィールド(盤上)に立てる守備陣の選手の人形が立体的で生き生きとしている。本当に野球場が家の中に現れた様に思えた。確かE社の最新モデルだったと思う。
(こ、これ欲しい・・・。今年の誕生プレゼントはこれをねだろう。)
確か当時この野球盤はTVCMも流れていてその日以来放送されるたびに親にアピールしていた。
そんなある日の事である。学校から帰って来た私は玄関にランドセルを放り投げて遊びに
行ってしまった。私には4歳下の弟が一人おり(彼が気を利かしたのか母親の指示であったのかは今となっては定かでないが)私のランドセルを自分達の子供部屋に運ぶ途中でひっくり返してしまった。
話は前後するが私の父は教師であった事もあり母親ともども勉強にはそこそこ厳しかった。常々学校での試験の答案用紙はすべて見せるように言われていた。私は言われた通り返してもらったテストは見せていた。ただし、70点以上だけであった・・・
残りの悪い点数の答案用紙はランドセルの中に貯めたままだったのだ。ひっくり返されたランドセルから20点とか30点とかのテストが母親の目の前にぶちまかれてしまった。
何も知らずに遊びから戻ると、母親が鬼の様な形相で「あんた、今年は誕生プレゼントはありませんからね」と・・・。そう良い点数しか見せていなっかたからだ。(この時は弟を恨んだ)
いよいよプレゼントの無い誕生日。何の楽しみも無く意気消沈していた私は夕食を終えようとしていた。丁度その時である。母親が何やら父親に目配せをしている。そうすると父親が隣の部屋から包装紙に包まれた大きな四角形の箱を持ってきた。
「ほらプレゼント。欲しがっていた野球盤。反省してたようだから。」
(うわ~やったー!)飛び付いてたのもつかの間、何やら箱がずいぶんと薄い。大急ぎで開けた箱には欲しかったのとは似ても似つかない野球盤が・・・
盤の外周(フェンス)は高さ2センチ位のただのプラスチックの枠。当然「消える魔球」装置なんて付いてない。そしてとどめは選手達の人形。まるでローラー車に踏みつぶされた
様な薄っぺらさ。(こ、これじゃない・・・こんなの欲しくない!)
涙目になっている私を見て父は「もらえると思ってなかったから喜びもひとしおだろう。ハッハッハッ・・・」
(ち、ちがう・・・) 父親との長い確執が始まる第1歩であった(笑)
次回は「おもちゃ」その②「ボーリングゲーム」